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ビズリーチのイマとこれから

HRの分野はテクノロジーの力でこれからもっと面白くなる。河合聡一郎さんに聞くHR領域の展望と人事・採用の仕事について

プロ・リクルーターに留まらず、多くのスタートアップへの出資や組織/採用のコンサルティングをされている河合聡一郎さん。実は、河合さんにはビズリーチの創業期からサポートいただき、プロ・リクルーター養成講座の講師をしていただくなどで、今もご協力いただいています。今回は、外部から客観的にみたHR業界の今後の展望、人事の仕事、最後にはビズリーチへの期待についてをお話を伺いました。

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河合 聡一郎さん/Soichiro Kawai
法政大学経営学部卒業後、印刷機械メーカー入社。 現リクルートジョブズにて中途採用メディアの営業を担当。 その後、株式会社ビズリーチの立ち上げに携わり、セールス・フォース・ドットコム、コニカミノルタを経て、ラクスル株式会社に創業メンバーとして参画。 同時に複数社のITスタートアップの創業、個人での投資を含めた社外アドバイザーも兼務し、 組織設計、採用支援を実施し3社のIPOにも貢献。 2017年、株式会社ReBoostを創業。

―本日はよろしくお願いします。まずは、河合さんのご経歴やビズリーチとの関わりについて教えてください。

河合:今日はよろしくお願いします。私は実家が機械商社を営んでいたこともあり、大学を卒業後には印刷機械のメーカーに就職しました。その後、現リクルートジョブズに入社したのですが、その当時2006年にプライベートで南さんと初めてお会いしているんです。当時、南さんは楽天球団にいらっしゃって、球団に遊びに行ったり、採用について色々と話をするような仲でした。その後、南さんが球団を卒業された際に、ビズリーチの原型となるサービスのブレストや、創業の際には約1年間、いわゆる草ベンチャーとして、フルコミットに近い形で立ち上げに関わっていました。

その後、私はまだ200名規模だったセールス・フォース・ドットコムなどを経て、ラクスルの創業メンバーとして7年半働いていました。ラクスルで初めて採用や人事の領域に踏み込んだのですが、当時から兼業・副業として様々なスタートアップの立ち上げにも関わっていました。採用・人事の相談に乗るところから仕事に繋がり、何社も採用や経営を支援をしてきました。その結果、お手伝いした2社が上場したり、資金調達する場面に立ち会うことができたんです。その経験が大きくて、やはり事業と組織、採用は密接に連動している、そして何より、経営幹部がそこにコミットすることが重要だと体感しました。

ちなみに2015年〜2018年にかけて、ビズリーチをご契約いただいた企業様へのセミナーやHRMOS採用管理のユーザー会での登壇、プロ・リクルーター養成講座での講師など直近もビズリーチと関わりがあります。

―ラクスル時代から人事・採用に関わっていらっしゃるんですね。その後も多くの企業の採用や人事のお手伝いをされてきた河合さんから見て、今のHR領域をどう捉えてらっしゃいますか?

河合:まず、この業界がやっと注目されてきているんだなと感じます。人材業界・人事組織の分野は歴史がありますが、特に働き方改革の流れもあり、今メディアから注目されている分野だと思います。HR関連の勉強会やカンファレンス、サービスも増えてきました。

日本の労働人口が減っている中で、ヒト/組織の在り方がもっと変わらなければいけないという流れができて、さらにここ数年で、ヒトそのものに対してフォーカスが当たっています。HR業界はこれからさらに面白くなっていきますし、それをけん引するのが「テクノロジー」だと確信しています。

インターネットやテクノロジーが人材業界にやっと入ってきて、人事や採用の世界に新しい概念が生まれてきていると思います。その先駆者がビズリーチだと思いますが、これが採用だけではなく人事評価や育成、人の在り方や働き方などに関わっていきます。本当にこれからが面白い業界です。経営者・事業会社の方々もそこに追いついて、コミットしていかないといけません。

そして私たちビジネスパーソンも、これからはテクノロジーを使いこなしより豊かなキャリアを積んでいくことになるはずです。マーケティングの世界ではテクノロジーを活用することがずっと前から当たり前になってきましたが、やっと同じトーンで 「ヒト/組織にもテクノロジーの活用が大事だね!」という時代になってきたように思います。テクノロジーを使いこなし、企業としての価値を最大化するために、今後はもっともっとヒト/組織に技術投資を行うのが当たり前になっていくはずです。

―そんな環境の中でこれから人事・採用の分野はどう変わっていくとお考えですか?

河合:非常に多岐なものを求められますよね。人事は単に採用するだけではなく、入社後にその方に活躍していただくまでフォローする必要があります。そのための基盤として適切な人事制度や、ミッション・ビジョンの設定に至るまであらゆる領域に手を広げていく必要が出てきます。これまでのように、採用の人材要件は現場責任者が考えて、母集団形成は人材紹介会社に任せて、私は日程調整だけ行っています、というスタイルは、もう採用と呼ばなくなるのではないでしょうか。非常に多くのことを学習し、適応していくことが求められていくと思います。

そもそもなぜ採用するのかというところまでさかのぼると、良い会社を創るという点に行き着くと思います。良い会社を創るとなると、幅広い業務を求められますよね。良い事業があって良い組織があって、連携しあって、最終的にそこに良い会社ができあがる。良い事業は社会的に正しい事業をやって世の中に価値提供している、良い組織はそれを実現するために優秀な人材が集まっていて、その人たちが活躍できる場(評価制度・ビジョン・バリューなど)がある。そう言ったサイクルなんだということを、経営陣はもちろん、人事や採用実務者は理解し、施策に落としていく必要があるでしょうね。

また、マーケティングの観点も重要ですよね。例えばスカウトメッセージで候補者の注意を引き、選考中に如何に自社への意向をあげていただくか。これはマーケティング用語でいうアテンションやナーチャリングにあたりますし、運用改善と言う意味では、A/Bテストかもしれません。採用KPIの細かい設計や予算の策定、ROIのモニタリングや改善も必要です。そして会社全体を1つのサービスと捉えると、社員にずっと使い続けてもらうためにはUXをどんどん改善していかなければいけません。また、社員のロイヤリティを上げるための各種施策やブランディングも必要です。こう考えるだけでも人事・採用担当の業務はとても広い範囲になりますね。

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―人事やHR領域そのものが変わっていく必要があるんですね。そういった変化が激しい時代の中で個人のキャリアのためにはどういった点を大切にする必要がありますか?

河合:そうですね、まずは業界と会社が成長している環境にいることがとても大切だと感じています。例えばビズリーチ社を例に出すとわかりやすいですね(笑)。この10年ずっと成長していますし、時代の流れをとらえ、事業を創っていると思います。今後ももっと成長していきますよね。それはなぜかというと、「インターネットの力で、世の中の選択肢と可能性を広げていく」という大事なミッションを担っているからだと思っています。そのミッション実現のためには社内に成長機会が多いでしょうし、これまで誰もやったことがないことにチャレンジする機会も増えていくはず。

(創業期から参画していた)ラクスルも大きく成長していった会社です。成長につれて私が会社から求められることもどんどん変わっていきました。事業モデルの理解はもちろん、例えば採用業務一つをとっても、その手法は常に変わっていきましたし、採用ターゲットのレベルもどんどん上がっていく。しかもすごい早さで。そういう大きな変化の中に身を置くと、おのずと意識しなければいけないことがあります。それは、「誰よりも早く課題設定をして、解決のための情報収集をし、実行する」ということです。

私自身は、特にこのことを意識して過ごしてきました。この会社の次のフェーズはどうなっていくのか?今のフェーズをクリアしている企業ってどういう企業で、そこにはどんな人が働いているのかと。自分で仮説を考え、それをすでに解決してきた人に会って話を聞く。応用できるところを自社に取り入れる。「将来創りたい、あるべき組織をイメージし、そこに到達するためには、今どのような課題を解決しなければいけないのか」と逆算していました。常に目の前の課題よりも、先の課題を設定して、仮説を立てて、情報収集して、クリアする…というサイクルをまわしてきました。その経験が大いに今に繋がっています。

―「成長している環境に身を置き、その中で自分で課題を見つけて、仮説を立て、情報収集して、外にアイデアを求めて、実際にやってみる」ということでしょうか。

河合:おそらく多くの経営者も同じように考えていると思っています。きっと南さんもそうなのではないでしょうか。ラクスル・代表の松本さんも会社/事業のフェーズごとに会う人を変えていたのを横で見ていました。

その様子を見て自分も取り入れて、オンオフ問わず、意識して多様な方と会うようにしています。組織/採用の支援をしている経営者、出資している先の経営者、新規で出資する予定の会社、ベンチャーキャピタルさん、プロ・リクルーター養成講座に参加いただいた方、面接をした後に、別の形で求職者とも会うことも。いろいろ学び、色々と相談しあう。大事にしているのは、いろんなカテゴリの人とお付き合いすることです。プライベートでは20年近くバスケットボールをやっていて、その仲間とも会う。美味しい食事だけを食べにいく会もある。飲食店経営や士業の方、政治家、医者もいる。

多種多様な価値観を自分の中にとり入れたい、自分の半径1キロだけが世の中じゃないということを常に理解したいんです。もともと、人や組織に興味があり、心理学や宗教学も好きなことも影響しているのかもしれません。

―一つ一つの縁や出会いを大切にして、外から多くのことを吸収されているんですね。

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―これまで業界のこと、採用・人事のこと、そして個人のキャリアのことを聞いてきました。より具体的に、河合さんの客観的な立場からみて、これからビズリーチという会社に期待することはありますか?

河合:差し出がましいかもしれませんが、ビズリーチはいいミッションを持っていると思っています。ぜひそのミッションを元に、インターネットカンパニーとしてHR業界を変革・推進してほしい。テクノロジーを武器に21世紀のモノ創りができ、それを世の中に広めていく。HR業界に関わる人たちを幸せにしていってほしいと思います。

さらに期待するのは、インターネットというツールを使って、日本の至る所に存在する「情報の非対称性」を解決してほしい。ビズリーチ・サクシードはまさにそうですよね。業界によっては需要と供給のバランスが、テクノロジーが導入されていないことで可視化されていない。それによって困っている方がたくさんいます。そういうところにビズリーチのサービスが常に存在すると良いなと思っています。

またビジネス人材とテクノロジー人材が、こんなにいいバランスで共存している会社はなかなかありません。世の中の動き、顧客のニーズを拾ってくれるビジネスチームと、それを形にできるエンジニアチームがあるので、まだまだいろんなことできるんだろうなと感じています。これからのキャリアとして、こうした強いテクノロジーが中心の会社で働くことは、幅広い選択肢が生まれるだろうと思います。

創業8年くらいは、HRを軸にテクノロジーが入って変革してきたかと思いますが、これからも世の中を変えていくために、違う領域でも事業やサービスが立ち上がっていくんだろうなと想像します。そんな成長している会社・産業の中にいることは、立てる打席の数も増えるので、自然と個人としての成長機会にも恵まれるはずですよね。

―最後さらにお伺いしたいのですが、プロ・リクルーターでもある河合さんから見て、ビズリーチ社のプロダクトに期待することはありますか?

河合:そうですね、例えばビズリーチサービスは求職者と企業のフラットでフェアな関係を創り出したサービスだと認識しています。そしてこれからも様々な可能性を秘めていますよね。求職者と企業の新しい出会い方を定義しているので、もっとユーザーが増えればいいですね。求職者&企業様が増えることが、今後期待していることかもしれません。サービスが成長し、出会いの輪がもっと広がることが結果として、「働くヒトと企業の選択肢と可能性を引き出すこと」に繋がり、その先には主体的な社会の実現があるように思います。そして、これまで以上に愛されるサービスになってほしいと願っています。

またHRMOS採用管理についても次世代の人事がマストで使うものになってほしいと思います。単純にATS(Applicant Tracking Systemの略。採用活動の管理システム)として採用業務における単なる管理のツールだけでなく、採用のROIを見て、HRMOS採用管理が次の人事・採用の在り方を定義し、けん引するプロダクトになってほしい。「そもそも採用担当は、こういうところまで一貫して見ていかなきゃいけないよね」という部分を、入社後の活躍も含めて、採用活動全体をHRMOS採用管理がカバーすることで、次の人事・採用の在り方を定義してほしい。ツールを使いながら課題を見つけて解決していくことが当たり前の世の中になればいいなと思っています。

人事採用の未来は、経営戦略・事業戦略・組織戦略・採用戦略・その後の育成や活躍を一貫して理解して、世の中の流れに即して、実行に移していくことが求められていくはずです。人事・採用はどんな事業になったとしてもそれに応えられるようなチームがベストなんだろうと思います。私自身も、ビズリーチさんのこれからを楽しみにしています!

―人事、採用のあり方を定義する、ぜひ実現したいことでもあります。河合さん、長時間に渡りどうもありがとうございました!



この記事をインタビューしたメンバー

冨里晋平/ Shinpei Tomisato


2児の父。インターネット広告代理店を経て、2015年ビズリーチに入社。BtoBマーケティングや「ビズリーチ」のプロダクトマネージャーとしてサービスの戦略設計、企画、CRMを担当。8月から人事本部へ異動し、採用ブランディングや採用活動においてMAの活用を推進している。