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ビズリーチのイマとこれから

アラスカで論文発表も! 各プロダクトを横断で進化させるAIグループの取り組み

こんにちは、ReachOne編集部の冨里です。

2016年にAIの専門チームとして立ち上がったAIグループ。ここでは機械学習、データサイエンスの最先端を追求する研究開発を土台としながら、その技術を横断的に各事業に生かしています。

今回は、そんなAIグループの立ち上げメンバーの一人でもあるマネージャーの菅谷に、AIグループがどのような役割を担っているか、AIグループの今後についてインタビューしました。

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菅谷 信介/Shinsuke Sugaya
外資系の大手ソフトウェアメーカー、ソフトウェア開発会社でプロダクトディレクターなどを歴任。2014年よりビズリーチにて「スタンバイ」の研究開発に携わり、2016年からはAIグループのマネージャー。その他にもApacheのオープンソースプロダクトでコミッタとしての活動や全文検索サーバFessの開発を行う。近年は、機械学習サーバApache PredictionIOの開発にコミッターとして参加し、機械学習研究者としての顔も持つ。

専門性の高いグローバルなメンバーが集結

ー菅谷さんはどのような経緯でビズリーチに入社したのですか?

ビズリーチの創業時から代表の南や取締役の竹内とは面識がありました。2014年に竹内から「一緒に最高レベルの検索エンジンをつくろう」と誘われた時に、目指す志の高さと情熱に共感し、今まで培ってきた機械学習の知識を生かしたいと、ビズリーチの求人検索エンジン「スタンバイ」の立ち上げメンバーに加わることにしたんです。

「スタンバイ」では検索結果の品質向上に取り組みました。HR領域においてGoogleの検索品質を上回ることを目指して、エンジニアと品質向上を続け、その結果2016年2月には「Yahoo!しごと検索」(旧「Yahoo!求人」)の検索エンジンをスタンバイが提供するまでに至りました。

ースタンバイの高い技術力が認められたんですね!その後、AIグループはどのような経緯で生まれたのですか?

もともとは、データサイエンスや機械学習を担当するメンバーがサービスごとにいて、AIを活用した機能もそれぞれに開発していました。

しかし、同じAI機能を必要とするサービスが多いにも関わらず分かれて開発するのは効率が良くないということと、将来的にAIの知識をもった人材を強化していきたいという考えから、AIの知識をもったメンバーが一つに集まるAI専門チームを立ち上げることになったんです。

ーAIグループが立ち上がった当初は、何名くらいの規模だったのですか?

AIグループを立ち上げた2016年は私を含めて5名でした。現在は12名、来年には16名に増える予定です。12名のうち3名は博士号の取得者で、来年入社する予定のメンバーを含めると博士号取得者が5名になります。

国籍も日本だけでなくアメリカ、インド、中国、ベトナムなどグローバルに専門性の高い人材が集まっています。メンバーの半数が外国籍なので、ビズリーチのなかでも一番多様性のある部署だと思います。まだ日本語が流暢ではない方もいるのでサポートが必要な場合もありますが、1on1で課題を汲み上げてチームで対応しています。

ー世界中から優秀なメンバーが集まっているのですね。そういった高い技術や知識をもった優秀なメンバーがビズリーチのAIグループを選んだのは、どのようなところに魅力を感じたからだと思いますか?

人によって考えはさまざまですが、ビズリーチは自分たちで事業作っていて、特にHR領域のさまざまなデータを扱っている点に魅力を感じたケースは多いと思います。

ビズリーチに登録いただいているハイクラス人材情報や、スタンバイの膨大な求人データなど、他では取り扱えないようなレアなデータをたくさん持っているので、分析のやりがいがあります。そういうこともあって、自然言語処理*1に興味があり、その分野の高い知識をもったメンバーが多いのが特徴です。

また、システム受託開発会社などがクライアント企業のデータを利用したり分析する場合は、まずデータのやりとりに壁がありますが、ビズリーチではそういったわずらわしさがなく、事業側のエンジニアと一緒になってスムーズに開発ができます。既存のサービスも成長を続け新規事業も増えている会社なので、技術をさまざまなサービスに生かしていけるのも大きな魅力だと思います。

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国際会議で研究論文を発表!

ー各事業部とAIグループはどのような関わり方をしているのか教えてください。

定期的に各事業とAIグループの担当者がミーティングをして、AIを使って実現したいことをヒアリングしたり、逆にAIグループからできることを提案しながら、具体的に何をしていくかを決めています。各事業部でフェーズもやりたいことも違うので、コミュニケーションをしっかりとって、必要としているものは何かを把握することが大切です。

ー具体的には、AIの技術がどのように各サービスに生かされているのですか?

サービスごとに違っていて、例えば「ビズリーチ」や「キャリトレ」では機械学習を求人のレコメンドに役立てています。求人検索エンジン「スタンバイ」では給与の情報が入っていない求人票について、過去のデータを元に給与を推測し推定年収を表示したり、ビジネスメディア「BizHint」では、データに基づいたユーザーのセグメンテーションを行い、ユーザーの興味や関心と役職の関連性を可視化するなどを行っています。

また、OB/OG訪問ネットワーク「ビズリーチ・キャンパス」では、データを分析して内定者とOB/OG訪問の関係を見つける研究など、データサイエンスの領域からもアプローチしています。

ーAIグループでは研究・開発にも力を入れていて、論文の発表もしていますよね。

はい。任意ですが、機械学習およびデータ分析コンペや、AI、機械学習分野の最先端技術を開発するための研究プロジェクトへ参加しているメンバーもいます。

最近の研究としては2019年アラスカで開催された、KDD(Knowledge Discovery and Data Mining)というアメリカ計算機学会(ACM)が主催するデータマイニング関連の国際会議のワークショップで発表してきました。

●研究内容
面接官と候補者の能力推定する研究
候補者と面接官でインタビューしたデータ群をもとに、面接官は厳しい面接官なのか、やさしいのか、候補者は能力があるのかなどを推定して、能力を可視化します。

その他にも、言語処理学会、人工知能学会などの国内の学会にも参加して発表しています。

専門性の高いアカデミックな知識を持つメンバーが多いのは、AIグループの強みでもありますね。国際会議で採択されるような新しい技術を日々研究し、常にAIの最先端の知識と技術を維持していきたいと考えているので、今後も国際会議には積極的に参加していく予定です。

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AI技術を活用して各プロダクトを尖らせていく

ーAIグループが目指していきたい姿などはありますか?

ビズリーチは新規事業がどんどん増えています。AIグループのメンバーも増えて、サポートできる範囲も広がっています。各事業との連携を深めて一緒にいろいろな事業を成長させていきたいです。

例えば今AIの技術を使って、「yamory(ヤモリー)」がさらに進化するための研究を行っています。 オープンソースの脆弱性管理ツールであるyamoryは、最新の脆弱性情報を収集することがとても重要なサービスです。インターネット上にはさまざまな情報が流れていますが、AIの技術を使うことで、そこからセキュリティの情報だけを抽出して、yamoryで利用できる情報として分類するなどの研究を進めています。多くの情報から自動で発見できるようできれば、yamoryの新たな強みとなっていくのです。

新しいサービスが世の中に出ると、競合のサービスも出てくるものなので差別化が必要になってきます。その差別化のための機能の開発に、AIの力を使っていきたいと思っています。

他には、将来にも繋がるような研究開発も行っています。たとえば、顧客の手書きの申込書をカメラで読み取り文字を起こすためにOCR*2の技術の研究や、社内の業務を軽減するための自動応答チャットボットなど、AIの技術の研究を進めることで、素早くAIの機能をサービスに導入していけるようにしています。

ありがとうございます。これからも各プロダクトがテクノロジーの力で進化していくことを楽しみにしています!

この記事を書いたメンバー

冨里晋平/ Shinpei Tomisato


インターネット広告代理店を経て、2015年ビズリーチに入社。BtoBマーケティングや「ビズリーチ」のプロダクト企画としてサービスの戦略設計、CRMを担当。2018年8月から人事/採用マーケティンググループへ異動し、採用ブランディングやオウンドメディアの運営を担当している。

*1:自然言語処理:人間が日常的なコミュニケーションに使う言語「自然言語」に対して、プログラミング言語は「人工言語」という。「自然言語処理」は前者の人間が普段使っている自然言語を処理する技術のこと。

*2:OCR:手書きや印刷された文字をスキャナなどで読みとり、コンピュータが利用できるデジタルの文字に変換する技術。