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最高のサービス品質とユーザー体験を届けたい。QA基盤推進室の取り組み

こんにちは、Reach One編集部の權 赫哲です。

QA(Quality Assurance)とは、製造業などでは品質管理として一般的な言葉ですが、IT業界でも同じくソフトウェアなどの品質全体を保証すること、またその職種のことを意味します。ビズリーチでは、「お客様に最高のサービス品質とユーザー体験(価値)をとどける」ことをミッションとして、QAの専任チームであるQA基盤推進室が2018年5月に立ち上がりました。

今回はQA基盤推進室 室長の残田晋に、QA基盤推進室の取り組みや仕事の面白さ、今後の展望などについてインタビューしました。

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残田 晋/ Susumu Nokota
国内大手旅行サイトなどを運営する企業で開発エンジニア、QAエンジニアとして16年間過ごしたあと、QA基盤推進室立ち上げのフェーズで自分の力が生かせるという想いから2019年4月にビズリーチへ入社。同年11月からはQA基盤推進室 室長。

事業拡大に伴いQA専門チームが必要に

ービズリーチでQA基盤推進室が立ち上がった背景について教えてください。

ビズリーチではもともと各事業部、部署で開発エンジニアがテストなどの品質の担保を行っていたため、QA専門のチームはありませんでした。しかし、創業から10年が経ち社員が1,300人を超える規模になってくると、開発エンジニアがテストをしていても不具合が減らず、障害対応に追われることが多くなってきました。

一般的に会社の規模が小さなときは開発チーム内でのコミュニケーションが密に取れるので、QAチームがなくても問題が起きにくいのですが、大きくなるにつれて専門のチームの必要性が高まってくるんです。

お客様に最高のサービス品質をお届けできる体制を作りたいという背景もあわさり、QA基盤推進室は立ち上がりました。事業の規模と共に社会的な責任も大きくなり、より一層プロダクトの品質が問われる中で、QAが果たす責任は大きいと感じています。

ーQA基盤推進室は現在どのような体制をとっているのですか?

現在は、私を含めて正社員が7名、業務委託の方が数十名で構成されています。ビズリーチ、キャリトレ、HRMOSシリーズ(採用、評価、CORE)は各プロダクトの担当がついて、開発にも参加しています。

他のプロダクトについても、技術サポートという形でQAの勉強会を開いたり、QAエンジニアとしてのアドバイス、情報のインプットなどをしています。

ビジネス要件、設計段階から品質担保の観点を

ー具体的には、QA基盤推進室はどのような仕事をしているのですか?

QA基盤推進室は全社横断組織として、品質管理計画や開発プロセス含めた全体のテスト計画の策定、実施などを担い、品質保証に関する業務を行なっています。QAは、ただテストをするだけのエンジニアというイメージをもっている方もいるかもしれませんが、実際は全然違います。

ビズリーチではQAエンジニアが、ビジネス要件を決める上位レイヤーから参加することが多いですね。プロダクトの設計レベルでバグをなくすためにできることや、プロセスに問題点があれば改善案を示したりしながら、事業部のエンジニアと一緒にプロダクトを作っています。

ーQAエンジニアが上位レイヤーから入ることの利点は何ですか?

医師にそれぞれの分野に詳しい専門医がいるように、エンジニアにも開発エンジニアとQAエンジニアでは専門性が異なります。

専門が違うと、同じポイントに対しても視点が違ってくるんですよ。例えばあるプロダクトを開発するとき、開発エンジニアは言語やデータベース、API、アーキテクチャはどうするかを考えます。比較すると最新のテクノロジーを取り入れたいという意識が強い人が多いし、その知識が豊富です。

一方で、私たちQAエンジニアは、この画面だったらどういうテストが必要か、このセキュリティ要件を満たすにはテストがどれくらい必要かなど、品質重視で考察していきます。そのため、最新テクノロジーについても、それを使うことによる品質劣化やリスクが高まらないか、品質を担保できるのかという視点でみるわけです。専門性の高いメンバーが集まって違った角度から検討して開発するからこそ、品質を担保しつつ、最新のテクノロジーを使ったプロダクトが生み出せるのだと思います。

プロダクト開発はそれぞれの専門家が集まり、意見を出しながらプロダクトを開発することが大切だと感じています。

ーなるほど。それぞれの専門性を生かしてプロダクトをより良く開発するというわけですね。

そうですね。それぞれの立場でプロとしての役割を果しているので、どのピースが抜けてもいいプロダクトはできないと感じます。

また、スケジュールや予算を考える際にも、QAエンジニアの知識は必要で、QA基盤推進室の出した見積もりを参考にしながら、全体のスケジュールが決まっていくことも多いんですよ。

プロダクト開発の工数は2〜4割程度がテスト工程なので、テストに必要な期間や予算をしっかり把握したうえで全体のスケジュールを決めないと、大きなズレが生じてしまいます。QAエンジニアは画面の要素、どのような機能がついているかといった情報を元に必要な期間や工数を予測できます。そのため、QAにはプロジェクトマネジメントのような役割も含まれていますね。

ープロダクトの品質を上げるために開発体制の中でQAチームはどう関わるべきなんでしょうか

QAがプロダクト開発の上位レイヤーから参加することが必要だといいましたが、さらにプロダクトの品質を向上させるためにはQAエンジニアだけでなく、全社的にQAへの高い意識と必要な知識をもってプロダクト開発に取り組むことが大切です。QAエンジニアが一緒にプロダクト開発に参加することで、他のメンバーへ品質保証の重要性の啓蒙に繋がっている部分もあると思います。

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QAエンジニアの専門性の高さに惹かれて

ー残田さんはもともと開発エンジニアだったのですよね。それがQAエンジニアになろうと思ったのはなぜですか?

もともとはQAエンジニアにはなるつもりはありませんでした。QAエンジニアの手を借りなくても、自分たちで作ったプロダクトは大丈夫だという変な自信があったんですよ。

ところが、前の会社にいたときにバグが多くて思い通りにリリースできないことが何回も続いたんです。バグを直してもまた違うバグが出てくる。一向にバグは減らないし、リリース後も障害対応に追われ…。エンジニアのモチベーションは下がるし、事業にも迷惑がかかるしと、悪循環が続いていました。

そんななかで、かなり優秀なエンジニアでも見つけられなかったバグを、QA専門のエンジニアの方があっさり見つけてきたり、「こんなパターンのときにエラーが発生します」というアドバイスまでもらえることが何度もありました。QAの専門的な知識をもったエンジニアには、品質管理においては敵わないと思い知らされたんです。

QAエンジニアの専門性の高さに気づき、とても面白い領域だと興味をもつようになった頃、会社としてQA専門の部署を立ち上げることになり、そのマネジメントを任せてもらえることになりました。それがきっかけで本格的に自分もQAエンジニアとしての道を歩もうと心に決めました。

ー開発エンジニアからQAエンジニアに移られたんですね

日本ではまだ開発エンジニアがQAも兼ねるケースも多いですが、海外ではQAの専門性が高く評価されていて、開発エンジニアより報酬が高いこともめずらしくありません。そして日本でもQAエンジニアのニーズがどんどん高まってきています。

日本では、一昔前はエンジニアとして少し能力の低い人がQAエンジニアになるというイメージはありました。ですが、テスト工程は開発においてとても重要なフェーズですし、専門性の高い分野なので決してそんなことはないんです。会社のブランド価値を上げるのも下げるのもQA次第といっても過言ではないほど、品質保証は企業の信頼に大きく影響します。

私がQAを面白いと感じたのも、その責任の大きさなんですよ。リリース後のトラブルを防ぐためにQAは絶対に必要だし、お客様に提供できる品質に責任をもつ立場はとてつもなくやりがいのある領域だと感じたんです。

ー実際にQAエンジニアとして現在感じている仕事のやりがいはどのようなところですか?

自分の専門性を生かして開発に携われることです。まだ良い関係性が築けていない企業もあるかもしれませんが、少なくともビズリーチでは開発エンジニアとQAエンジニアがお互いに専門性をリスペクトし合いながら、よりよいプロダクトを目指しています。発言権も大きく、評価ポイントも開発とQAで違いはないので、お互いが平等な立場で議論し、尊重し合えるのかもしれません。

「QAのおかげで早くバグに気がついた」「QAのおかげでリリースできた」などのポジティブなフィードバックが多いこともやりがいに繋がっています。みんながONE TEAMでプロダクトを開発しているんだという充実感があるんです。

また、ビズリーチは今も成長しながら新しいプロダクトを生み続けている一方、10年間築き上げてきたプロダクトもあります。フェーズの異なるプロダクトそれぞれにQAとして関われるのも、魅力だと思います。

日本ではあまり例のない新卒採用を開始

ーQA基盤推進室の今後のビジョンを教えてください。

人数もある程度増え、ビズリーチの主要サービスを網羅する体制が整ってきました。引き続き新たに立ち上がり続ける新規事業についても、より深く関わっていきたいですね。

そして現在は、先日発表のあったグループ経営体制への移行など会社の組織の成長に合わせてQA基盤推進室のさらなる規模拡大を考えています。将来的には海外採用なども強化していきたいですが、まずは来年度から開始する新卒採用に力を入れていきたいと考えています。

ー新卒採用を始めるのですね。それはなぜですか?

日本でQAのような分野に関わりたいと思うエンジニアの学生の方は卒業後、開発エンジニアを目指したり、いわゆるテスト会社とよばれるテストを専門に行っている会社に行くことが多く、事業会社へQAエンジニアとして入るケースはまだまだ少ないんです。

日本の大学では一部を除いてQAを専門に学ぶ機会が少ないのが影響しているのかもしれませんが、事業会社の新卒QAエンジニア募集の少なさも要因の一つだと思っています。

海外ではQAエンジニアの新卒採用は一般的で、そのポジションを目指している優秀な学生の方も多い。だから日本も潜在的には、QAエンジニアを目指す学生の数はもっと多いはずだと考えています。

私たちビズリーチのような事業会社が、新卒採用で積極的に門戸を開くことで、QAエンジニアを目指す方の母数の増加にもつながってほしいという想いがあります。

また、ビズリーチはHRテック事業を中心に、ITを活用してさまざまな事業を展開してきましたが、今はHRの印象が強く、テックカンパニーだということを知らなかったり、QA専門の部署があることはさらに知らない方も多いと思います。そういった学生の方にも、新卒採用を通してビズリーチにはQA専門の部署があることを知っていただきたいです。

ー現在はQAの業界自体、キャリア採用が多いと思いますが、新卒でQAエンジニアを目指す場合のキャリアパスはどのように考えていますか?

QA業界でも有名なエバンジェリスト*1が3名もおり、QAエンジニアのキャリアパスについてもしっかりと体系化して考えているので、新卒の方でも自分が目指す方向性を見つけやすいと思います。

ー体系化というのは、具体的にどのようなものですか?

QAエンジニアとしての専門性は大きく、テストの自動化(SET)、マニュアルに沿ったテスト(テスト)、アーキテクトを考える(QA)の3つに分かれると考えています。

キャリアパスとしては、テストオペレーターからスタートして、いくつかの段階を経たのち、最終的にその分野でのスペシャリストを目指していきます。 ビズリーチのエバンジェリストは、全ての分野のスペシャリティをもち、会社全体を横串に見ることができるトップレベルのQAエンジニアなので、一緒に働くことでスペシャリストの先のキャリアも思い描きやすいかもしれません。

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ー新卒採用への熱い想いを感じました。どのような学生の方に来てほしいと思っていますか?

学生時代にソフトウェア工学をきちんと学び、ベースとなる知識を持っている方で、何よりも本当に品質のことを考えている方、QAエンジニアの専門性に大きな可能性を感じている方に仲間になってほしいと思っています。

日本では新卒からQAエンジニアとしてスタートした方がまだ少ないので、一緒にキャリアパスを築いていき、QAエンジニアの新卒採用のカルチャーを日本でも作っていければと思います。

ーどうもありがとうございました!

21年卒のQAエンジニア新卒採用を開始しました。ご興味をお持ちいただけた方は、ぜひご応募ください。

hrmos.co

この記事を書いたメンバー

權 赫哲/ Hyukchul Kwon


2014年1月入社。Android開発エンジニアとして、求人検索エンジン「スタンバイ」の立ち上げ、 「ビズリーチ」のサーバーサイドエンジニアを担当したのち、2018年11月より人財採用本部 採用マーケティンググループに異動。採用ブランディングや、採用活動の仕組み化を担当している。

*1:技術を分かりやすく解説したり、啓蒙することを担うプロフェッショナル